難波酒販店は、近世には旧生野街道沿いの宿場町として栄えた中村区内に位置しています。江戸時代に大阪からこの地に移り住み財をなしました。現在の建物は、明治中期頃に建て替えられたとされています。
　旧生野街道沿いに点在する町家の中でも特に年代が古く、規模の大きい酒造・酒販店であり、かつては養蚕業、染色業も営んでいました。玄関腰窓に用いられている縄文杉の一枚板や出格子、虫籠窓（むすこまど）等のしつらえは宿場町として栄えた往時の様子を垣間見ることができます。
　旧生野街道に面する代表的な町家で、地域の景観の核となっていることから県の景観形成重要建造物（平成20 年３月）に指定されています。

前面の看板の裏には、昔の郵便局の建物が残っています。

　今から約420年前の文禄4年（1595年）、観空智伝和尚が粟賀の地に念仏の教えが無いのを嘆き、浄土念仏の道場として生蓮寺を開かれました。寺の名称の由来は、西山上人の歌「生きて身を蓮のうえに宿さずば念仏申す甲斐やなからん」の「生」と「蓮」からきています。

今から約300年前､享保元年に粟賀の里、生蓮寺の住職であった６代目・海印和尚が、お茶にぞっこん惚れ込み住人にお茶を植えるよう奨めた。その後１０年を経て､享保１０年８月２４日、当地から出る上品のお茶に、京の都宮中宝鏡寺の宮様から､このお茶を’仙霊茶’と御銘御許容になり､御真筆御下賜遊ばされ､その後毎年、菊・桐の紋章付長持で禁中にお茶を献上したと言われています。

銀の馬車道街道を彩る、歴史の息吹を感じる土壁が残っています。

町並みの歴史的景観を崩すことなくとけこんだ改修がされています。

　竹内邸は、古くから地域の盟主として旧粟賀村で造り醤油、造り酒屋を営んでいました。また、地域一帯のお茶の問屋としての役割を担ってきました。　天保12年（1841年）の粟賀大火により内蔵だけは残し、他の建物は全焼。その後、生野鉱山の山師の家を移築した（現建物）とされています。