歴史的景観形成地域の風光明媚な
景色と空気の中へ
この地は、奈良時代初期の書「播磨国風土記」に、粟鹿川の周辺の地域という表現で
「粟鹿川内」として紹介されています。昔は大陸の文化が日本海を渡り、但馬国から播磨国に伝えられたそうで、但馬の粟鹿から移ってきたのではないかと言われます。その後この地は粟賀荘と呼ばれ、中村・粟賀町の一帯をさしています。このように、人と物の移動によって、人から人へ、村から村へと伝わり、道筋ができてきます。
市川流域の道筋では、瀬戸内の塩が「南塩」と呼ばれ、仁豊野から屋形、粟賀、追上
(猪篠)、生野、新井、竹田と但馬国に運ばれていました。戦国時代には、織田・羽柴軍の但馬制覇により、竹田城から粟賀荘の道筋は、人馬や物が往来する街道となります。
さらに、江戸時代の寛文4年(1664年)に福本藩がおかれ、粟賀荘のまちづくりが
始まります。藩主居館を中心として街道筋を取り込んで陣屋が構築されて福本村と命名され、その北部の街道筋の両側に商工業者を定着させて粟賀町村と命名し、人馬の乗継をする宿場町として整備されていきました。
時代が進み、流通の問屋や商家、旅宿も屋号を掲げて商いを競い、旅人の往来や商品流通も増え、地域経済の中心地として栄えてきました。年に数度、生野銀山から大阪城への産出銀納入の道中行列には、人馬乗継の御用達もしたそうです。明治新政府による生野銀山の再開発に伴う輸送改革にも、粟賀宿は馬車道の駅家として、重要な役割を果たしてきました。
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- 仙霊茶のルーツを訪ねる
- 約290年前に朝廷へ献上し「仙霊茶」の銘を授かって以来、農林 水産大臣賞に輝くなど茶どころとして広く知られています。
- 日本初の“高速道路”銀の馬車道を歩く
- 1876年(明治9年)に、生野銀山と飾磨港(現姫路港)の間、約49Kmを南北に結ぶ馬車専用道路としてつくられた道。
- 播州の名刹、法楽寺にたたずむ
- 古来より創建時の逸話「播州犬寺物語」の舞台として著名、別名 「播州犬寺」
- 歴史の宝庫にひたる
- 現在の姫路城を築いた池田輝政の子孫が興した福本藩の8代にわた る栄枯盛衰の跡や、1万3千年前の複合遺跡など、見どころが充実。
- 今も息づく宿場町を楽しむ
- かつての宿場町の雰囲気を伝える歴史的な町並み景観が残されていま す。2014年(平成26年)4月、兵庫県歴史的景観 形成地区に指定されました。
- 西暦
- 元号
- 主なできごと
- 645
- 大化年中
- 播州犬寺(現在の法楽寺)が創建されたと伝えられる。
- 715
- 和銅8年
- 「播磨国風土記」でこの地が紹介される。
- 1184
- 寿永3年
- 源平の合戦で敗れた平家の武将「松本将監」が、埋田の森で没す。
- 1241
- 仁治2年
- 法楽寺の寄進状のなかに粟賀荘、中村・下村が記される。
- 1577
- 天正5年
- 織田信長の但馬制圧。羽柴軍が粟賀荘を経て竹田城攻略。
- 1595
- 文禄4年
- 生蓮寺が建立される。
- 1648
- 生保5年
- 埋田神社が建立される。
- 1663
- 寛文3年
- 福本藩が置かれる。藩主は松平政直。
- 1663
- 寛文3年
- 慈増寺が建立される。
- 1868
- 明治元年
- 明治新政府成立。生野銀山の再開発を決定。
- 1869
- 明治2年
- 藩籍奉還。土地と人民は朝廷のものとし、藩主を藩知事とする。
- 1870
- 明治3年
- 福本藩が鳥取藩に併合される。
- 1871
- 明治4年
- 廃藩置県。播磨統合で姫路県に併合。姫路県は飾磨県に改名。
- 1872
- 明治5年
- 戸籍法制定により、庄屋制度が廃止される。
- 1873
- 明治6年
- 飾磨港と生野銀山49kmを結ぶ「銀の馬車道」工事が始まる。
- 1876
- 明治9年
- 銀の馬車道完成。飾磨、播磨、但馬、丹波、摂津、淡路が兵庫県に併合。
- 1889
- 明治22年
- 粟賀町村、福本村、中村など、粟賀荘10ケ村の合併で粟賀村が誕生。
- 1894
- 明治27年
- 播但鉄道姫路~寺前間が開通。粟賀町から鶴居間で乗合馬車が運行開始。
- 1895
- 明治28年
- 飾磨港-生野間に鉄道開通。馬車道による銀山物資の輸送が終了。
- 1896
- 明治29年
- 郡制改革。平安時代からの神東郡・神西郡が合併し神崎郡になる。
- 1941
- 昭和16年
- 太平洋戦争が始まる。
- 1945
- 昭和20年
- 太平洋戦争終戦。
- 1946
- 昭和21年
- 「県立粟賀診療所(公立神崎総合病院の起源)」設立
- 1955
- 昭和30年
- 昭和の大合併。粟賀村・大山村・越知谷村3ケ村の合併で神崎町ができる。
- 1959
- 昭和34年
- 粟賀町公民館建設
- 2004
- 平成16年
- 中村・粟賀町中心市街地活性化計画策定。
- 2005
- 平成17年
- 神崎町と大河内町の合併で「神河町」の誕生。
- 2007
- 平成19年
- 「銀の馬車道交流館」設置。「難波酒販店」兵庫県景観形成重要建造物に指定。
- 2009
- 平成21年
- 兵庫県により景観形成地区指定のための調査実施。
- 2013
- 平成25年
- 中村・粟賀町景観まちづくり計画策定。
- 2014
- 平成26年
- 中村・粟賀町歴史的景観形成地区指定(兵庫県景観形成条例)。
中村・粟賀町ふるさと自立計画策定。「かみかわ銀の馬車道まちづくり協議会」発足。